ガサガサ通信 vol.5 〜アイスランドでオーロラハント〜

死ぬまでに一度は見たい景色といえば、何を思い浮かべるか。その問いに、誰もが一度は思い浮かべるであろう自然現象が、オーロラではないだろうか。

筆者も、オーロラが観測できる場所として有名なアラスカやカナダを訪れたことはある。だが、生物採集や釣りが主な目的になるため、訪れる時期は必然的に白夜シーズン。オーロラと生物採集は、狙い目となる時期がまるで逆なのである。そこで今回、思い切って生物採集の可能性を拭い捨て、オーロラをハントしに行くことにした。

まずは数あるオーロラツアーを調べて情報を集め、旅行会社で見積もりをとる日々。しかし、ツアーのレビューを見ると「天候が悪くて見れぬまま帰国…」「ホテルの敷地内から観測というルールがあるため、駐車場や街灯のライトが邪魔だった」などのマイナス意見が目立ち、大満足のオーロラ鑑賞をできたという意見がとても少ないことが気になった。

それならばレンタカーを借り、その日その時間にオーロラが出現する可能性がある場所を目指して、常に移動を繰り返せばいいじゃないか。夜通しの長距離移動も車中泊も、生物採集のおかげで慣れたもの。という事で、実はそんなに寒くない環境でオーロラが見れると人気急上昇中の、アイスランドへ向かうことに決めた。

日本での準備は、チケットの手配とレンタカーの予約だけ。ここで注意したのは、4輪駆動車/4WDをレンタルする事と、フルカバーの保険に加入すること。アイスランドを一周する国道一号線(以下、リングロード)を走る分には問題ないが、ハイランドと呼ばれるリングロードを外れた道に一歩踏み入ると、未舗装エリアが多く非常に危険だ。

保険はフルカバーがオススメ。筆者も道中、飛び石によるフロントガラス割れ、オフロードでパンクなどのトラブルに見舞われた。

現地に着いたものの、オーロラが発生する条件が全くわからない。
初日はオーロラが見れると評判高いキャンプ場に宿泊し、不発。2日目の夜は、オーロラ撮影地として有名なスナイフェルス半島のキルキュフェトル山へ。オーロラ観光ツアーのバスがひっきりなしに右往左往しているが、小雨が降る時間帯もあり、この日もオーロラのオの字すら見ることができなかった。
ツアーに参加してる方々の気持ちを考えるといたたまれない気もしてくる。

オーロラの撮影地、映画のロケ地としても知られるキルキュフェトル山は、アイスランド特集などが組まれるとタイトル画に使われるほどアイスランドの顔として有名。

3日目以降、自力でオーロラを探すために使ったツールが、オーロラ予報(Iceland Met Office:Aurora forecast)という情報サイト。

これが非常に便利だった。リアルタイム天気予報や、雲が切れてオーロラが出る確率の高い場所が確認できる。しかも3日後までの未来予測ができるので、旅の予定も立てやすい。予報とMAPと睨めっこして、狙い定めたポイントに道はあるか。月の出る夜であれば、山を背に置いて月を隠す条件の場所があるか。霧に邪魔されない高台はあるかなどを調べる。あとは現地で、気長にオーロラの出現を待つだけだ。

地図の白い部分が、雲が切れてオーロラが見やすい場所。時間によって予報は刻々と変化する。Iceland Met Office:Aurora forecast

たどり着いたのは牧場。家畜の臭いに包まれながらホットココアを飲み、半信半疑にその時を待つ。そしてついに、夜空に点滅する雲のようなものが現れ、徐々にオーロラ特有のグリーンに変化していく。それは色の強さや形を変えながら、まるで巨大なモンスターのように夜空を動き回った。

ツアーに参加して大勢の人たちと感動を共有するオーロラも良いが、自分を信じて走り回って見つけた場所で、寒空の下、出るかどうかもわからない夜空を眺め続けて現れたオーロラは、これ以上ない感動で人生初オーロラに色を付けてくれた。

この日以降、オーロラハントのコツを掴み、コンスタントにオーロラを見ることが出来た。ホテルでの朝食時、晩に撮影したオーロラ画像を見返していると、外国人旅行者たちが「写真を見せてくれないか?」と声をかけてくる。そしてみんな羨ましがりながら悔しがった。「ホテルの看板が明るすぎて全然見えなかった」「もう10日もツアーに参加してるのにまだ一回も見れてないよ」と。

いつかこの記事を見ていただいた方のお役に立てれば幸い。アイスランドのオーロラはこれからが本格シーズンインです。

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